続後拾遺
かけまくもかしこき豊の宮柱なおき心は空にしるらん 俊成
続千載
皇のあまつみおやのみことのり つたえて祈る豊の宮人 度會行忠
千五百番
そのかみや 祈りしことは豊受のしるしぞ君が恵なりける 土御門内大臣
同
榊とる豊宮人の神あそび立ちまう袖の香さへかうばし 嘉陽門院 越前
参詣記 とよけのみやにて
何事のおはしますかはしらねども忝さに泪こぼれて 西行
夫木
神風やみつの柏は秋の色 豊宮人の袖さへぞてる 家長
神祇百首
天てらす豊受の神の宮人の火ともすかげに年は暮れけり 元長
神道百首
神のます山田のはらの御注連縄なかきよかけてすめる瑞垣 兼邦
正治二年百首
君が代は山田の原に立つ千木の千度かはらんほどは かぎらじ 土御門内大臣
新千載、
君が世にまためぐりあふ小車の錦ぞ神の手向けなりけれ よみ人しらず
💬
短歌は難しくて、しかもたくさんで、コメントできません。でも気になる言葉として、「みつの柏は秋の色」。豊宮人の袖さえ照るほどに、みつの柏はかつての外宮境内自生していたのでしょうか。「小車の錦」も同じように錦に例えられるほどに多く咲いていたのでしょうか。
みつの柏を調べると、①カクレミノ②伊勢神宮で三節祭および柏流しの神事のときに占いに使用された柏の葉とあります。カクレミノは常緑広葉樹です。秋の色とは関係ないのかもしれませんが、古い葉は色づいて落ちると「樹木」という本に書いてあります。柏は落葉樹で紅葉もするらしいのですが、ここはどちらかわかりません。外宮の森はほとんど杉やクスノキなどの常緑樹で、紅葉する木は少なかった気がします。秋になったら色づく外宮の森の木を観察に行こうと思います。
小車は、7月から10月に咲く黄色の花で湿地や田のあぜ道に生える多年草だそうです。花の形から小車と呼ばれるそうです。また小車錦という織物があり、黄色地に黒糸で牛車を織り出したものと、黒地に黄糸で織り出したものがあるそうです。小車錦は外宮の御衣に用いられたそうです。それで、小車の群生して咲く様子は小車錦のようであり、すなわち神への手向ものであるという意味なのかと思いました。
湿地なので外宮の境内に生える可能性はありますが、実際に外宮の参道付近に野草が咲いているなんて見たことがありません。
ちょうど今の時期に咲くらしいので、探してみたいと思います。
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