2012年3月21日水曜日

臥龍梅公園 ~伊勢市のとても小さな梅苑

伊勢市に移り住んで20数年たちます.臥龍梅公園の名はずっと前から知っていましたが,なかなかその場所がわからず,やっと発見できたのは3年程前です.わかりにくい筈で,敷地はとても狭くて民家の庭ほどです.しかも 四方を家に囲まれて,車道からは全く見えないのです.家と家との間の細い路地を歩いていくと,突然に公園が現れます.菅原道真ゆかりの由緒ある銘木だそうですが,龍がうねったような古木はすでに枯れてなく,今は挿し木によって増やされた子孫の若木が地元の人々によって育成され,公園も整備されているということです.
 臥龍梅の特徴は,別名八つ房の梅とか座論梅と呼ばれるように,ひとつの花に複数のめしべがあるということです.そのめしべひとつひとつが実を結ぶと実が房のようになるのだそうです.花は白,淡いピンクと紅梅の3種あります.それと大事なポイントで,普通の梅よりも開花が遅いということです.満開を期待して行ってもまだ咲いていないことが多いのです.花の咲く時期には,解説してくださる方が大抵いらっしゃいます.その方の話によると.毎年の見頃は彼岸だそうです.そして,ゴールデンウィークの頃になると,小さな実が集まって座って話をしているような,かわいい房が見られるそうです.花もいいけど そんな時期にもぜひ来て見たいものです.
 今日のお花見,家から車で5分,花の観賞所要時間15分程です.でもここに来るといつもほのぼのとした気持ちになります.日差しが暖かいから,花たちが素朴できれいだから,保存会のおじいさんが人情味あふれているから,いろいろです.ここを知らない人には,私は少し得意になって紹介してしまいます.駐車場はありません.でも付近の道路の幅が広くなっているので,大丈夫です.



花の中央の緑色のめしべが複数あります

元気なつぼみです.めしべがつぼみから飛び出しています


入り口近くに庚申様がありました

こんなにきれいな色で塗られていました.ぴかぴかです

2012年3月14日水曜日

名古屋ウイメンズマラソンに参加して

初めてのフルマラソンに挑戦でした.練習はとても十分とは言えず,完走できるか不安でいっぱいでしたが,もう後へは引けない,開き直りの境地でした.
受付は前日なので,土曜日夕方に初めて名古屋ドームへ.誘導はきちんとしていて,受付はすんなりと済みました.メナードのプレゼントをもらうために,たくさんの出店ブースが立ち並んでいるドーム内に入っていくと大勢の人たちでごった返していました.とにかく目の前にあったメナードのブースに行ってプレゼントを受け取ると,あとは訳もわからず,ナイキでついついTシャツを申し込んでしまい,逃げるように退散しました.どこに何があるかよくわからなかったけれど,向こうの方で展示してある自動車がキラキラと見えていました.でも見て廻っていたら疲れてしまいます.体力は温存しなければ.

 夜はなかなか寝付けず,朝は5時から眼が覚めて,やはり緊張しているみたいです.ホテルの朝食は間に合わないので何も食べず,7時前にチェックアウトして外に踏み出しました.とたん,足元に違和感が!! ホテルのスリッパをはいたままでした.フロントのお姉さんが,スリッパじゃ走れませんものね,と微笑んでいらしたそうです.

 そして会場入りです.会場に近づくとスタッフに誘導されて自然と荷物預けの列に並ばされてしまいました.荷物を預ける前に朝食を食べないといけないので,仕方がないから列の横にすわりこんで急いでパンを食べて身支度をして,また並び直しました.ドームの客席に行ったら中で座って食べることができたかもしれませんが,どこから入ればよいのかわかりませんでした.それにとても広いので,ルートからはずれると戻れない不安もあります.荷物を預けて,トイレに行こうとしたら長蛇の列ができていました.時計をみるともう8時45分で スタート地点まで移動することを考えると間に合わない可能性があります.途中に仮設トイレもあるだろうし,諦めてスタート整列場所へ.マイクからカウントダウンが聞こえましたが,号砲はまったく聞こえませんでした.よほどスタートゲートは遠いのでしょう.13000人が整列して順に走り始めます.9時10分スタートで実際にスタートゲートをこえたのは16分でした.
 不満たらたら書いているようですが,実際はかなりハイテンションでした.雲ひとつない青空,スタートゲートでは巨大なピンクと白の風船が道路沿いに並んでゆらゆらと揺れています.沿道や歩道橋,ドームの2階から大勢の人達が手を振って「いってらっしゃい」と声援を送ってくれます.カラフルなウエアを着たたくさんの女性ランナーが手を振りながら走っていきます.ふと沿道を見るとタキシード姿の若い男の子がにこにこ立っています! あ,彼がイケメンタキシード隊ね.すっかり舞い上がっての出発.しかもペースはのろのろで,息が切れる事もなく,快適ランです.
 スタートして5キロまでは,まずトイレ探し.仮設トイレを2箇所通過しましたが,長蛇どころか群集の中にトイレの屋根がちらっと見える程の混雑ぶりです.それでも友人はトイレに行ってしまいました.私は,そろそろ少し先で折り返してくるトップランナー達とすれ違うはずなので,右端によってそのまま走りました.ぜひ野口みずきさんに声援を送りたかったのです.そしてついに,白バイに先導されてトップ集団がやってきました.野口さんはこの時点ではほぼ2位くらい.皆が一斉に声援を送ったのできっと聞こえなかったと思いますが,鍛え上げた美しいフォームには本当に感動してしまいます. 
 その後,私も次のトイレに並んでいるうちに無事に友人とも合流できました.

 沿道の人達の声援はとても励みになります.ありがとうと,恥ずかしながらも笑顔で手を振ると,笑顔を返してくれます.まるで知り合いになったかのような親しさを感じます.きっとこういうのは世界中一緒だろうと思います.人間誰でも結局,笑顔が最高のコミュニケーションだと信じています.
 さて最初の憂鬱は12キロ付近.まだこれだけしか走ってないのに2時間近くかかっているし,こんなに疲れている.到底無理なんじゃないかという気がしてきました.それから22キロ付近,半分過ぎて嬉しいのに,気分不快,ペースダウンで歩きたいという衝動にかられました.これは,22.5キロの給水所の給食で救われました.バナナを3かけら,チョコと塩飴を食べたら,元気回復しました.低血糖のせいだったみたいです.ちょうど時間も正午ころでした.次の給食で,アンパンをもらって食べながらしゃべりながら走るという,不真面目さ.でもこれがちょっともたれてしまいました.それから25キロあたりで再びトイレ並びで10分以上の休憩.走り出すと太ももが丸太のような感じでした.リズムにのるまで少しつらい感じ.ここからずっと1キロがながく感じるようになりました.給水や給食がありますが,呆れたことにおなかいっぱい感があって,あまりほしくなくなりました.30キロになると,あと残り10キロくらい,いけそうだと実感がわきました.疲れたら歩くというつもりでしたが,トイレ休憩以外はずっと走ってきました.この調子なら6時間は切れるし,歩かないでゴールできそうです.35キロになると 頭の中でカウントダウンが始まりました.あと7キロ,6キロ,….ここはさっき,招待選手が走っていたコース,もう少しだ頑張ろう.オールスポーツのカメラマンに向ってVサインなんかして,元気なふりもしてみます.足は攣りそうで攣らない,腰と股関節がだるくて痛いけど,たいしたことはありません.どういうわけか,初めて足にマメができたみたいですが,痛いのも気になりません.沿道の人が多くなって来ました.ついに39キロ,40キロの看板を見たときは,かなり嬉しかったです.ゴールが目前に近づいて来た感じです.ゴールしたら泣いちゃうかも,と話ながら,足はどんどん前に進みます.41キロになるとコースはドームのまわりを廻ります.すでにゴールした人や見ず知らずのたくさんの人達が沿道から手を伸ばしてハイタッチをして励ましてくれます.そしてついにピンクのテープに囲まれたドーム内に続くルートに入り,薄暗い入り口と150mの看板が見えました.やったあと思う間もなくゴールゲートが現れ,友人と手をつないで万歳しながらゴールしました!!!

 それから真っ赤なカーペットの上を進むと,タキシード隊のお兄さんが,銀のお盆に載せた水色のティファニーの小箱を一人ずつ手渡してくれます.そして きれいな濃いピンクのTシャツやタオルなどもタキシード隊のお兄さん方が渡してくれるのです.ドーム内は程よく薄暗いので,こちらのぼろぼろが見えないといいのですが・・・.
 
 その後,私は足の痛みと疲労感と戦いながら地下鉄に乗って帰って行ったのでした.(地下鉄は座らせて頂いて本当に助かりました.来年はシャトルバスを出してください)