2013年2月13日水曜日

国束山 413.8m  1月27日

国束山へは,アスピア玉城の横の道を,伊勢自動車道の方向へどんどん行きます.高架をくぐって池の横を通り過ぎて,道はしだいに細くなり,うっそうとした林の中を通りぬけ,まもなく国束山の登り口の駐車場に着きます.弘法温泉の名の由来となった弘法石が祀ってあります.木の覆いかぶさる薄暗い駐車場はあまりよい雰囲気ではありません.国束山の頂上付近には,国束寺という寺の跡が残っているそうです.国束寺の開祖は聖徳太子と伝えられ,平安時代から室町時代まで,密教の修行の寺として栄えたそうですが,織田信長の伊勢攻めの際に焼かれ,後に,江戸時代に一度再興されますが,次第に衰退し,昭和28年に麓の平生の地に移転されたそうです.かつてこの道は参道だったのでしょう.登り口は広い舗装された道路でまっすぐに登っていきます.

伊勢はすごいなあと思います.歴史的な人物の関わった話があちこちにたくさんあるのですから.

登り始めてすぐ,左に分岐する山道があります.こちらが,旧道コースにあたるようです.まっすぐ行くと,鳴子山に寄ってから行く百瀬川コースです.今日は,初めてなので,幾分近いと思われる旧道コースをとりました.山道は始めは急でしたが,「これより10町」とかかれたお地蔵様のある角まで来ると,なだらかになってきました.さらに岩屋窟に通じると思われる分岐を過ぎると,空気が冷たく感じられてきました.昼なのに霜柱の氷が道のあちこちに溶けずに残っていて,踏むとぱりぱりとした感触が伝わってきます.従是西南禁殺生とかかれた石が埋もれかかってあります.道は次第にまっすぐに広くなって,何かの礎石のようなものが,両側に並び,程なく昔の境内と思われる広場に到着しました.約40分の行程です.境内は木が切られて明るい雰囲気でした.古い石灯篭や小さな祠があり,今も新しい絵馬をかけられるようになっていました.建物の跡ははっきりとわかりますが,瓦礫が散乱してそこに雑草が茂っているという感じです.建物は朽ちてしまった訳ではなく,大阪の四天王寺や麓の新しい境内に移築されたそうです.頂上へは,この大きな建物の跡を踏み越えて奥へと登っていきます.八幡社,白山社,夜奈塚などの碑が立っています.頂上まで約5分程でした.展望はほとんどありません.


境内に続く古い参道
旧境内

旧境内


国束山は不思議な所です.旧境内に,廃寺の寂しさはなくて,明るい休憩所のようです.
例えば,梅香寺には 古いくずれかけた墓碑なども残っていたのですが,ここには,そのようなものは見当たりません.きちんと移転されたのでしょう.そしてここに建っていた建物も新しい境内に移築されているそうなのです.ここには何も残されていない,そんな印象の所でした.

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