2011年7月31日日曜日

富士山に登りました!! でも リタイア

久しぶりです.夏は仕事が忙しくて...と言い訳.
さて,2年前から予定していた富士登山がついに決行されました.
4人の友人と地元のバスツアーに参加です.
 7月23日朝6時55分 伊勢出発.
 関と桑名で他のお客さんをピックアップして,中央道を走り,一宮御坂ICで高速を降りて富士スバルラインに入り,五合目駐車場に着いたのがなんと午後3時頃でした.ここで早い夕食を食べて,4時半にいよいよ出発となり,集合場所でガイドさんの紹介がありました.
 五合目には人がたくさんいました.思った以上に暑くて,長袖のシャツを着ていたら,「お姉さん,それじゃ暑いよ.」と,地元のおじさん(?)風の人に言われました.その人の言うには,昨日は五千人,今日は土曜日だから一万人は上がって行ったということです.富士山は登山客で渋滞すると聞いて覚悟していたので,人が多くても気になりません.考えたら,宮川の花火大会くらい人がいたかもしれません.5合目から見上げる富士山は巨大ですばらしい迫力,登山道は反対の斜面らしく人影はありません.
 ガイドさんは若いお兄さん風の人,ガイドさんというのは職業で成り立つのだろうか,夏休みだけのアルバイトなのだろうかと思いながら,出発.馬たちがたくさんいます.子供の頃ここに来たとき,たしか馬に乗った記憶があるんだけど...料金を見たら有り得ない値段だったので,その記憶は何かの勘違いだと確信しました.
 道は始めなだらかに下って行きます.左手に広い平野が広がり,河口湖や山中湖を見下ろすことができます.天気がいいと東京湾まで見えるそうですが,今日は遠くはかすんでいました.それでも天気は快晴で,霧やガスもなく絶好のコンディションです.まもなく大きな岩に登山口とペンキでかいてある分岐点にきて,ここから山の斜面を登っていきます.小さな泉の前を通り過ぎます.馬の水飲み場だそうです.木は明るい緑色に茂り,石楠花が咲いていました.道は広くてやはりなだらかです.
 いつの間にか森がなくなったかと思うと,紫がかった茶色の溶岩が見渡す限り続いている所にでました.六合目です.仮設トイレのあるところで休憩です.標高2390m.ここは八合目からの下山道との合流地点で,広場になっています.眼下にはさっきと同じ風景がひろがっています.見上げると頂上まで一目で見ることができます.木は一本もない溶岩の山で,人の列が途切れ途切れに見え,道に沿って小さな山小屋がでこぼこな感じで並んでいます.誰かがあそこが今日泊まる富士山ホテルだと言っていましたが,どれだか確かめ様もありません.相変わらずの好天気で汗がでます.私はこの辺で,すでに軽い頭痛がしてました.正確には朝起きたときからなのです.乗り物に長時間乗ると偏頭痛が必発なので,鎮痛剤飲んでいましたがあまりきいていません.でも,気にするほどもない程度です.優雅な美しい富士とは違う,大きくそびえる富士に圧倒されそうでした.
 七合目には七つの山小屋があり,八合目には八つあるそうです.しばらくはジグザグの溶岩の坂道です.階段になっているところもありますが,大きな段差を越えると息が苦しいので,段差の小さいところを選んで進みます.最初の山小屋は標高2700m,その手前から3100m程まで,道は岩場にかわります.ここでは両手のステッキがとても頼りになりました.つかまるところが無くても,ステッキをついて登って行くことができます.岩場では登山客の渋滞が起こるというのですが,休憩しながら行けるので,渋滞大歓迎でした.とにかく大きく段を上ると苦しいのです.山小屋に着くと道が平らになって,道はそのまま山小屋のテラスになっていました.焼印を押してくれるおじさんがいて,おにぎりやバナナなども売っています.幾つか過ぎるとだんだん薄暗くなってきました.眼下の夜景がキラキラと金の鎖のように光ってとてもきれいです.皆各自ヘッドランプをつけ,冷えてきたのでフリースを重ね着して,再出発です.けれど,頭痛とともに,少し気持ちが悪くなってきてしまいました.
 太子館という山小屋につくと八合目3100mです.3000mこえると高山病になる人はなりますよ,とガイドさんがいうので (そのせいではないけれど),私は気持ちが悪く,頭痛と眠気に襲われて,元気にしゃべっていたのに,すっかり無口になってしまいました.同じツアーの方で歩けなくなる人が出て,何度も予定外に休憩をして待っていましたが,体が冷えて寒くなってきました.ガイドさんが,ランプを消し星を見ましょうというので,全員ランプを消すと,満点の星空だったようです.友人は流れ星!と叫んでいました.私は気持ち悪くて上なんか見ていられません.早く行こうよー.
 最後は泣きそうになりながら,暗いから誰も見ていませんが,必死の形相で,富士山ホテルにたどり着きました.午後11時過ぎていました.混雑時の富士山の山小屋はひどいものだと聞いていたのですが,実際はまるで天国でした! ふかふかの寝袋に枕,一人のスペースは40センチはあったと思います.仰向けで十分眠れます.毛布2つ折りでは寒かったので,防寒服もかぶって,私は横になった途端の熟睡でした.ホテルに着いたら,何か食べるつもりだったのに,それどころではありませんでした.早くも午前1時に頂上目指して出発のため起こされましたが,頭がガンガンして,吐き気もひどい.行きたいなんて,これっぽっちも思わず,ごめん,やめる.と言ってまた寝ました.皆出かけていったので毛布余っているじゃないかと気がついて,隣の毛布を失敬してぬくぬくと眠ることにしました.まもなく,友人が一人,気持ち悪いと言って戻ってきて寝たので,高山病の仲間もできてよかったなあ,なんて.
 また4時過ぎに「もうすぐ ご来光です」と山小屋の人が起こしにきてくれました.今度は頭痛もマシになってきたし,トイレに行きたいからどっちみち起きなきゃならない,ううっ吐きそうだと思いながらも,テラスにでてみました.テラスにはすでにたくさんの人,頂上にも行かないでこの人たち,どこから来たんだろう.全くの無風,寒いけれどそんなにひどく寒い訳でもない.きっと私たちはかなり幸運なんだろう.見れば果てしなく広がる雲海の彼方,空がオレンジ色に輝いてまさに日が昇ろうとしているところでした.でそうで出ない,しばらく待っていると雲より少し下に赤く丸い太陽が姿を現しました.うっすら雲があるから,太陽を直視できるのでしょう.頂上の皆にはどんな風にみえたのかな.でも,なぜか,あまり感動しない.太陽よりも,今自分が立っている富士山がすごい.この地球がすばらしい.私は地球の住人でよかった.なんて.太陽あっての地球ですよね.
 それからまた寝て,6時に皆も帰ってきたので,一緒に下山となりました.約3時間で五合目に戻ることができました.下山道は富士山ホテルのすぐ先から分岐していてわかりやすく,とにかく幅広い道でした.岩場も無く,滑らないように気をつければ楽に降りて来られます.と言っても,降り始めてすぐ,私吐いてしまいました.自分でもびっくりでした.でも見回すと,道の端でうずくまっている人,けっこうたくさんいました.皆,気持ち悪いのは一緒みたい.
 考えてみれば,他の人たちはほとんど寝ていない訳です.強行軍もはなはだしいので,今度リベンジするときは,バスツアーはやめて,自分達で無理のない計画をたてて行こうと思います.
写真は気分不快のため,あまり撮れませんでした.